ぐりんごのマイクラブログ

マインクラフト(Minecraft 統合版・たまにJAVA版)で無限の世界を楽しもう!

ある日”私”はスポーンした 第二話「罪悪感」

 

”私”はまだおかしな世界に居る。

 

このままずっと元の世界に戻れないのではないかと思うと不安で仕方がない。

 

自分で言うのもなんだが、”私”は元の世界では一流プログラマーだった。

 

そしてゲームオタクでもあった。

 

このおかしな世界はまるでRPGゲームのようだ。

 

ま、人生そのものがRPGのような気もしないでもないが。

 

そんなことはどうでもいい。

 

目的がはっきりしたのでダメもとでもやってみるしかない。

 

そう、「あのドラゴンを倒す」という目的を果たすしかない。

 

”私”はあいかわらず村に居た。

 

同じ顔のおじさんたちの村に。

 

仲良くするわけではないが敵対するわけでもないので、誰も居ないところに一人で居るよりはいいかなと思う。

 

どうやら、この世界でも太陽が昇り、太陽が沈み、月が出ることはわかった。

 

夜はここで寝泊まりすればいいかなと考える。

 

”私”はここを起点に準備を進め、あのドラゴンを倒すことにした。

 

でも、昨日寝た家は誰かの家だろうか?

 

家主が戻ってきたら寝る場所が無くなるな・・・

 

そう思った”私”は雨風がしのげる最低限の家のようなものが欲しくなった。

 

”私”はプログラマーだが、大工ではないので家など建てられない。

 

悩んでいると、昨日、土を”壊した”ことを思い出した。

 

そうだ!洞穴(ほらあな)を作ろう!

 

原始的ではあるがもっとも簡単な雨風をしのげる場所である。

 

”私”は辺りを見渡し、村の裏手の小さな山肌に目をやった。

 

「あそこにしよう」

 

誰かに話しかけるわけではないが、声が出ずに心の中で思うだけなのはなんだかもどかしい・・・

 

”私”は目的の場所を素手で壊しながら小さな洞穴を作った。

 

中が暗いので、昨日手に入れたたいまつを壁に置いてみたらちょうどいい明るさになった。

 

入口が開けっ放しというのは安心できないので、ドアを付けることにした。

 

そういえば、昨日の作業をするための台を使えばドアが作れるはず。

 

ということで、昨日の作業をするための台のところまで行って、余っている木材からドアを作った。

 

1つでいいのに3つも出来てしまった。。。

 

まぁいいや。

 

この台、洞穴に持って行けばいつでも物が作れるのでは?

 

そう思い、台を持とうとしたが、持てない。

 

この世界は重さを感じないはずなのに台はびくともしない。

 

なぜだ?

 

”私”はまだまだこの世界がよくわからない。

 

よくわからないから台を蹴ってみたが、やはりびくともしない。

 

やけくそで台を叩いた。

 

すると”台”は土を”壊した”ときと同じく、立方体になり宙に浮いている。

 

??

 

もしかして・・・

 

その立方体になった台に近づくとポケットの中に吸い込まれていった。

 

そういうことか!

 

この世界では目的のものを破壊して近寄れば持つことができるんだ!

 

”私”は何かゲームの1つを攻略した気分になった。

 

洞穴に戻り、先ほどの台を洞穴の中の壁際に置いた。

 

これでいつでも物が作れる。

 

そうそう、入口にはドアを設置しておいた。

 

一仕事を終え、少し疲れたので座ろうと思ったが、地面に座ることになる。

 

仕方が無いので地面に座り休んでみた。

 

休みながら考えた。

 

イスが欲しいな。

 

でも、作れるものにイスってあったっけ?

 

そう思いながら作業をする台に触れてみた。

 

イス・椅子・・・・

 

イスが無い!

 

どういこと?

 

この世界にはイスという概念が無いのか?

 

そう思いながらも作れるものを見ていると、”ベッド”があった。

 

昨日はベッドをお借りしたっけな・・・

 

ベッドが欲しいけど、必要なものは・・・

 

木材と羊毛?

 

羊毛って羊の毛だよな?

 

そんなのどこにあるんだ?

 

少し休息が取れたので、洞穴から出て、辺りを見回した。

 

すると、いままで気にもしていなかったが、遠くに牛?や羊?が見える。

 

この世界には動物が居るんだな。

 

少しずつこの世界を理解していく。

 

まさにRPGである。

 

羊は居たけど、どうすればいいんだ?

 

とりあえず、羊の近くに行ってみた。

 

「メェ~」

 

羊は鳴き声を上げている。

 

しゃべれる訳ではないが、声を発せられることが羨ましかった。

 

羊が居たが、どうすれば・・・

 

とりあえず、手を置いてみる。

 

何も変化は無い。

 

毛刈りをすればいいのか?

 

でもハサミなんて無いし・・・

 

そう言えば、殴って壊せばまた立方体になるのではないか?

 

そう思い、羊を一発殴ってみた。

 

「メェ~」

 

痛かったのか、赤くなって鳴き声を上げたが、立方体は出てこない。

 

念のため、もう数発殴ってみた。

 

すると・・・

 

羊が居なくなり、羊毛と生肉に変わって浮いている。

 

”私”はびっくりした。

 

えっ?殺しちゃった??

 

や、やばい!

 

”私”はとっさに辺りを見回したが、同じ顔のおじさん達は気にする様子も無い。

 

それ以外の人間はやはり見当たらない。

 

誰かに怒られる、下手したら逮捕されるかと思ったので、ちょっとホッとした。

 

しかし、どうしよう、この肉と羊毛。

 

悩んでいながらも一歩前に出たタイミングでまたしてもポケットに吸い込まれてしまった。

 

あ、やってしまった。

 

勝手にポケットに入るのは何とかならないかな・・・

 

でも、貰ってしまったものは仕方がない、有効に活用しよう。

 

一度洞穴に戻り、ベッドを作ろうと作業を行う台に手をついた。

 

なんと、羊毛は3つ必要なようだ。

 

また、羊を殺めなければならないのか・・・

 

気が重い。

 

村からベッドを貰うのとどっちが悪いことか・・・

 

この時点で”私”は村から貰うのは躊躇(ためら)われた。

 

なぜなら、家主が戻ってきて怒られのが嫌だった。

 

羊はかわいそうだが、なぜかそこら辺に現われるから所有者は居ないと思った。

 

羊を見つけ、目を瞑りながら何回か叩いた。

 

また、生肉と羊毛になった。

 

これを後もう一回やらないとならない。

 

せめてもの救いは血が出ないことだ。

 

無事、材料を集めた”私”はベッドを作ることができた。

 

これで今後はこの洞穴で暮らせると思いながら、壁際にベッドを置いた。

 

あのドラゴンを倒す。

 

とは決意したものの、いつになるやら・・・

 

 

そう言えば、この世界に来てからずっと誰かに見られているような気がする・・・

 

それに自分の意志で動かしていると思っている手足に違和感が・・・

 

たまに勝手に動くような気が・・・

 

この世界、細かいことを気にしたら負けだな。